性ホルモンの分泌バランスを整えニキビを治そう

この記事では性ホルモン(男性ホルモン・女性ホルモン)の分泌バランスとニキビの関係について私なりに考えた事を書いています。尚、詳しくは別ブログ「体質を改善したい人のための知識集」にある『「豆知識集25」男性ホルモンと女性ホルモン』にまとめているのでそちらをご覧下さい。

男性ホルモン(アンドロゲン)の役割について簡単に

男性ホルモンとは「アンドロゲン」の事であり、このアンドロゲンはテストステロン、デヒドロテストステロン(DHEA)、アンドロステロンの総称です。その中でも男性ホルモンと言う場合、大抵は「テストステロン」の事を指します。

テストステロンが分泌されると心身に男性的な特徴が現れ、分泌量が増える事で作用は大きく現れます。特に成長過程では骨格的に大きな体を形作るのに必要で、テストステロンの分泌量が増えると骨が大きくなったり、筋肉が大きくなったりします。またテストステロンには性欲を増進させたり、体毛(特に髪の毛以外)を濃くしたり、声が低くする作用もある他、闘争心を増進させる作用もあり、心も男性的になります。

ただしその分泌量が増え過ぎると、人によっては過剰に皮脂が分泌されてニキビが増えたり、髪の毛が薄くなったりする事もあります。これには遺伝子による個人差がありますが、後述のように特に思春期前後においては、睡眠習慣に関わる「メラトニン」というホルモンの分泌により、ある程度のコントロールはできます。もちろんニキビの原因は様々ですが、仮に性ホルモンの分泌バランスが原因の場合、まずは睡眠習慣の改善を優先すべきでしょう。


女性ホルモン(エストロゲン)の役割について簡単に

女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、分泌される事で心身に女性的な特徴が現れ、その分泌量が増える事で作用が大きくなります。重要なのが「脂肪の代謝」で、エストロゲンが分泌される事で全身に脂肪が付きやすくなり、特に女性では胸に脂肪が集まるようになります。また思春期においては骨にある骨端線を閉鎖させ、身長の伸びを止める作用もあります。これにより女性は男性よりも身長の伸び始めが早くなり、また伸び終わりも早くなります。他、体毛を薄くしたり、声を高くしたり、意識的に心を女性化したりする作用がある他、皮膚を薄くしたり、コレステロール値をコントロールする役割もあると言われています。

女性ホルモンと聞くと思春期前後に分泌量が増えるというイメージがあり、それ以前は分泌されていないように思ってしまいますが、実はエストロゲンは思春期以前から分泌され続けており、その蓄積によって思春期へのスイッチが入ると言われています。そのスイッチを抑えているのが「メラトニン」というホルモンです。このメラトニンは睡眠の準備を行う役割があるホルモンですが、性成熟を抑制し、早熟を防ぐ役割もあります。すなわち睡眠習慣の崩れが思春期を早めると共に、思春期中及び思春期以降における性ホルモンのバランスを崩れさせる原因になるのです。

尚、メラトニンは昼間に分泌されて活動力の源になるセロトニンから、そのセロトニンは必須アミノ酸の一種であるトリプトファンから作られます。トリプトファンは一般的に蛋白質が含まれる動物性の食品に多く含まれています。しかしニキビを治すためにと脂肪の含まれる食品を制限してしまう事が多く、稀にトリプトファンが不足する事があります。無理な食事制限→トリプトファンの不足→ストレス耐性の低下→睡眠習慣の崩れ→メラトニンの分泌悪化→性ホルモンの分泌が乱れる→ニキビが悪化・・・という悪循環には注意すべきでしょう。

ちなみに女性ホルモンには「プロゲステロン」というホルモンもあります。こちらはエストロゲンとは違って思春期以前は殆ど分泌されず、思春期以降に分泌が促されますが、特に妊娠に関わる機能の維持・成長、及び胎児を守るための免疫機能の維持・向上において重要な役割を果たしていると言われています。


男性ホルモンと女性ホルモンの分泌バランス

男性ホルモンと聞くと、女性では分泌されないイメージがありますが、女性でも男性ホルモンは分泌されます。また男性でも女性ホルモンは分泌されます。男性で分泌される女性ホルモン、女性で分泌される男性ホルモンの量は非常に少ないのですが、男性ホルモンに対する女性ホルモン、女性ホルモンに対する男性ホルモンというように、お互いにバランスを取る役割があると言われています。男性でも女性でも、その分泌バランスが心身の健康を維持する上では重要であり、性ホルモンはどちらも多すぎても少なすぎても良くないのです。

また男性ホルモンや女性ホルモンは、脂肪の一種である「コレステロール」から作られます。コレステロールと聞くと悪いイメージしかありませんが、実はそのように性ホルモンの材料になる重要な役割があるのです。特にコレステロールのような脂肪の代謝は「必須脂肪酸」のバランスによって成り立っています。必須脂肪酸には「ω-3脂肪酸(αリノレン酸、EPA、DHA)」と「ω-6脂肪酸(リノール酸、γリノレン酸、アラキドン酸)」の2種類があり、食習慣の乱れによりその必須脂肪酸のバランスが崩れる事があります。これにより性ホルモンの分泌、及びニキビにも悪影響を及ぼす事があるのです(必須脂肪酸のバランスが崩れるとアレルギーや炎症が強くなると言われている)。

尚、男性ホルモンは皮脂の分泌を促します。皮脂が毛穴を詰まらせる事でニキビはでき、思春期では特にそれが起こりやすくなります。つまり男性ホルモンに対して抑制的に働く女性ホルモンを増やす事ができれば、ニキビを改善する事ができるのではないか?という事を考えつきますが、重要なのはそのように性ホルモンの分泌バランスがお互いに整っている事と、それが長期に渡って安定し、分泌量が平均的に増える事です。間違っても大豆イソフラボンを大量に摂取するとか、そういう事はすべきではありません。


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ニキビを治す事と快便の関係について

腸内環境を整え、便通を改善する事もニキビを改善していくためには重要な事です。ここではそれについて私なりに考えた事を書いてみます。尚、詳細については別ブログ「身長を伸ばす方法について考えてみた」にある『身長を伸ばす事と快便の関係について』にまとめているのでそちらをご覧下さい。

老廃物を排出し新陳代謝を促そう

人は小便、大便、汗、皮脂、咳、クシャミ、鼻水、痰、涙などから、老廃物を排出する事ができます。特にこの中では「大便」の割合が大きく、体外に排出されるものの内、8割以上を占めていると言われています。それだけ便通は「老廃物を排出する役割」として重要だという事です。

大便と聞くと、食べ物の中でも消化吸収ができなかったものが大便になり、また食物繊維がその元になるというイメージがありますが、大便には食べ物以外にも様々なものが含まれています。例えば大便特有の茶色い色は、古くなった赤血球の色素が代謝される過程でできたものです。赤血球は蛋白質の中でも非常に合成が活発で、常に新しく作り変える必要があるので、そうして古くなり捨てる量も多い訳です。もちろんこれは赤血球に限った事ではありません。蛋白質は常に新しく作り変えられており、古くなったものは分解して再利用するか捨てる必要があります。それこそが新陳代謝です。

つまり排出されるべき老廃物が便として排出されず、それが体内に蓄積するという事は、そういった新陳代謝がスムーズに行われなくなる可能性があります。例えば他の栄養素の吸収や代謝を邪魔したり、血の巡りを悪くしたり、脳や他の臓器の働きを鈍らせたり、怪我や肌荒れなどの治りを遅くしたり、免疫力が低下して病気にかかりやすくなる事もあります。

また大便として上手く排出されないという事は、そもそも大便に至るまでの処理が上手く行われていない可能性もあります。特に摂取したものを処理する肝臓や腎臓の働きは重要です。肝臓や腎臓の機能を低下させるような不摂生も、実は便の状態に影響を与えます。腸の巡りを良くしようと発酵食品や食物繊維を摂取する人は多いですが、それだけでは不十分です。


発汗によるデトックス効果は僅かなもの

老廃物の排出においては、例えば半身浴、有酸素運動、サウナ、あるいは辛い食べ物を食べる事による「発汗」によっても排出する事ができるとされ、それによる効果をいわゆる「デトックス効果」などと言います。しかし実際には発汗によるデトックス効果は微々たるもの(大便の役割を考えれば当たり前の事)で、汗によって排出されるのは水分、ミネラル、水溶性ビタミンぐらいです。水分排出による一時的な浮腫の改善や体重の減少は考えられますが、過剰な発汗は脱水症状、乾燥、皮脂の過剰分泌、熱中症、筋肉の痙攣などを招く事があります。発汗する場合、水分や栄養補給はむしろ意識的に行うべきです。

ちなみに気温の上下動によってはいわゆる「夏バテ」になる事があります。夏バテは主に自律神経の疲労によって起こると言われていますが、実は一時的なナトリウムの不足によって胃液の分泌が悪くなり、胃腸の働きが鈍くなる事による「胃もたれ」が大きな原因になっていると言われています。ナトリウム(塩分)と聞くと制限した方が健康に良いと思われていますが、そのように適度な補給が必要な場合もあるのです。問答無用で制限すれば良い訳ではありません。


腸内環境を整え、ビタミンを作ろう

ビタミンは基本的に食事から摂取する必要がありますが、実は腸内細菌が食べ物(食物繊維等)を分解する際、その腸内細菌によって一部のビタミンを合成する事ができます。特に腸内細菌によって補給されるのが「ビタミンB群」と「ビタミンK」です。

ビタミンB群はビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ナイアシン、ビオチンの8種類の総称で、実は腸内細菌ではそれら全てを作る事ができます。特にビタミンB群は補酵素として重要であり、糖・蛋白質・脂肪の関わる様々な代謝に関わる重要なビタミンです。つまり何らかの原因で腸内環境の悪化、あるいは食習慣におけるビタミンB群の不足は、結果としてニキビにも悪影響を及ぼす事があります。

またビタミンKは出血した時に血を固める役割や、カルシウムの吸収を促す役割を持っています。ニキビとは直接は関係ありませんが、女性はカルシウムが不足しやすいと言われているため、単にカルシウムを摂取するだけでは不十分な事があります。「腸内環境を整える=カルシウムの吸収を促す」というイメージは中々できませんが、実は影響しているのです。


腸内環境は食習慣以外の要素も関係している

「腸内環境を整えよう」とした時、多くの人は食事だけで解決しょうとします。前述のように食物繊維は便の元になり、また分解される過程ではビタミンも作る事ができます。しかし一度狂ってしまった腸内環境は、食事だけで簡単に改善する事はできません。何故なら腸内環境は食事以外でも狂う事があるからです。

特に「睡眠習慣の乱れ」は重要です。睡眠は臓器やそれを管理している脳を休めるために必要不可欠な生活習慣の一つであり、その睡眠習慣が乱れれば当然胃腸の働きは鈍くなります。いくら体に良いものを食べても、胃腸が活動的でなければ消化不良を起こし、異常に便の量が増えたり、便が固くなったり、逆に下痢をする事にも繋がります。まずは睡眠習慣を改善すべきでしょう。

尚、睡眠習慣の改善と合わせてすべきなのがストレスコントロールです。規則的な睡眠にはセロトニンとメラトニンという2つのホルモンが関係しています。この2つのホルモンはドーパミンやノルアドレナリンなど特に精神状態に関わるホルモンをコントロールする役割があり、ストレスによる影響を強く受けます。例えば緊張して便が緩くなるという事がありますが、それもストレスによる過剰な反応の一つです。そういった環境を改善する事も、腸内環境の改善には重要になります。


食物繊維と発酵食品だけに頼るべきではない

よくありがちなのが「食物繊維の過剰摂取」です。お腹に良いから、健康に良いから、ダイエット効果があるから・・・などと野菜ばかり食べる人がいますが、元々食物繊維は消化酵素で分解する事ができず、腸内細菌でしか分解されません。また例え分解されても殆どエネルギーになりません。そのため野菜だけの食習慣ではいわゆる「省エネ体質」になってしまう可能性が高いです。省エネ体質になると、エネルギー消費の激しい筋肉を維持する事よりも、脂肪のような長期に安定したエネルギーを節約しながら使って「今を生きる」事を優先するようになります。すると筋肉が落ち、基礎代謝が低下、その状態で食事を戻せばリバウンドのリスクが高まります。

また「お腹に良い」とされるヨーグルトや納豆などのいわゆる「発酵食品」も、そればかりを食べるのは栄養バランスの偏りに繋がります。確かに大豆は全体的な栄養価が高いですが、それだけでは補給できない栄養素があります。また乳製品は大豆の栄養価には到底及ばず、栄養の絶対量が不足します。心身の健康を維持するには「バランス良く栄養を摂取する」事が大前提であり、特定の栄養素に集中し、それ以外の栄養素が疎かになってしまったら、いくら良い物を食べても意味がありません。そうやって「特定の食べ物や栄養素を摂取するだけで便通を改善しようとする」のが大きな間違いなのです。今こそ認識を改めるべきでしょう。


全身をよく動かすような運動をすべき

例えば日常的に椅子に座った姿勢を続けていると、背中が丸くなり、お腹や背中の筋肉が衰えてしまいます。お腹や背中の筋肉は臓器を支える役割もあるので、そうして周囲の筋肉衰えると胃腸の働きが鈍くなる事があります。お腹周りをよく動かすような全身運動は胃腸に直接刺激を与える事ができ、胃腸を活性化させます。それもニキビのためには重要な事です(ストレス解消という意味でも重要)。

また人の体は古い細胞を新しく作り変える事によって健康を維持しています。例えば筋トレによって筋肉に対して一定のストレスを与えると、そのストレスから細胞を守ろうとし、筋肉の細胞が大きくなります。これは環境に適応する防衛本能の一つです。つまり細胞はストレスを受ける事で、修復・合成するための代謝が活性化する訳で、それに伴って、代謝に必要な材料を消化・吸収・利用するための胃腸の働きも活発になるのです。「適度な運動」はその意味でも重要な事です。


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