ノルアドレナリンとアドレナリンについて

ここではストレスに深く関わる「ノルアドレナリン」と「アドレナリン」という2つのホルモンについて、私なりに考えた事を書いています。やや長文ですが、ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

「ノルアドレナリン」とはどんなホルモンか

ノルアドレナリンは「ストレス」に深く関わるホルモンです。人はストレスを感じるとそれに対する様々な防衛反応を起こします。その内の一つが「ノルアドレナリンを分泌させる事」と言えます。例えば人がストレスを感じノルアドレナリンが分泌されると、まず脳の神経伝達がスムーズになります。それによって判断力、集中力、五感などを研ぎ澄まし、対面したストレスを乗り越えようとしているのです。

そんなノルアドレナリンはドーパミンという別のホルモンによって分泌を促されており、またセロトニンによってその分泌を抑制されています。この2つのホルモンがノルアドレナリンの分泌が不安定にならないようコントロールしているのです。特にセロトニンは睡眠に深く関わるホルモンなので、睡眠習慣が崩れる事によってセロトニンの分泌リズムが狂えば、当然ノルアドレナリンの分泌も狂ってしまう事になります。すなわち睡眠習慣の乱れはストレスとも深く関係しているという事です。別記事参照→「ドーパミンについて」「セロトニンについて

睡眠習慣の乱れからノルアドレナリンの分泌量が減ったり、その分泌が不安定になったりすると、ストレスに対して過剰に反応したり、あるいはストレスに対して無反応になったりします。簡単に言えば「多くの人が平気な事をやたらストレスと感じる」ようになったり、「多くの人が恐怖に感じる事が全く平気になる」というような事が起こります。「神経質」はどちらかと言えば臆病なイメージがありますが、ノルアドレナリンの分泌が狂うと極端に怯えるようになるのに加えて、極端に大きく喜んだり、また極端に無反応になったりするのです。それによって自分が平気だと思う事に対しては極端に活動的になり、自分が嫌悪感を抱く事に対しては全力で避ける行動を取るようにもなっていきます。

ネガティブな反応で言えば、例えば「多くの視線を浴びながら恥をかく」という事は誰にとってもストレスですが、その時にノルアドレナリンが正常に分泌されていれば、そのストレスを受け止め、瞬時に対処する事ができるでしょう。前述した通りノルアドレナリンには「脳の神経伝達がスムーズにする」効果があるため、本来はむしろ「プレッシャーや緊張を感じた方が能力を発揮する事ができる」ようになるはずです。しかしノルアドレナリンの分泌が不安定になるとそうしたストレスから全力で逃げるようになり、過去の恐怖の経験から常に何かに対して怯えて行動するようになっていきます。おそらくこれは睡眠習慣が崩れる事によってノルアドレナリンをコントロールする事ができなくなってしまったと考えられます。元々ネガティブな性格だったりしてストレスを感じやすい人はそれが悪循環のようにループしてしまうのです。ちなみにノルアドレナリンはチロシン(必須アミノ酸ではない)などのアミノ酸を材料に作られており、食習慣の乱れもその分泌に大きな影響を与えます。

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「アドレナリン(エピネフリン)」というホルモンについて

「アドレナリン」は心身の興奮を司るホルモンです。ストレスを受ける事でノルアドレナリンが分泌されるとその影響でアドレナリンも分泌されます。アドレナリンが分泌されると、例えば心拍数が上昇したり、呼吸が速くなったり、体温が上昇したりという反応が起こります。それによって心身を興奮させ、ストレスに対峙しようとしているのです。ノルアドレナリンもアドレナリンもストレスに深く関わるホルモンですが、ノルアドレナリンは冷静さを高める事でストレスに対峙するのに対し、アドレナリンは心身を興奮させ闘争心を高める事でストレスに対峙しようとします。アドレナリンは特にスポーツなどでは「闘争本能の源」になるホルモンです。

しかしアドレナリンはデメリットもあって、分泌量が多すぎると自分でも抑える事ができないほど心身が興奮状態になります。あまりに興奮し過ぎると、例えば頭が真っ白になって何も考えられなくなったり、あまりの緊張や興奮で手の震えが止まらなくなったりする状態になります。もちろんそのような症状は「ホルモンバランスが整っている人」でも起こり得る事なのですが、ノルアドレナリンの分泌が不安定になる事ではそれが頻繁に起こるようになります。もちろんそのノルアドレナリンも前述のようにセロトニンによる影響を受けているので、睡眠習慣の乱れが最終的にアドレナリンの分泌をも狂わせる事になります。睡眠習慣は人の心を健康に保つ上で非常に重要なのです。


様々なホルモンがバランスを取り合っている

ノルアドレナリンやアドレナリンが分泌されるまでの簡単な流れとしては、規則正しい生活習慣→セロトニンとメラトニンが分泌→セロトニンによってドーパミンの分泌を促し、メラトニンがそのドーパミンを抑制→ドーパミンがノルアドレナリンの分泌を促し、セロトニンがそのノルアドレナリンを抑制→更にそのノルアドレナリンがアドレナリンの分泌を促し、セロトニンがそのアドレナリンを制御する・・・という形ですね。

要は様々なホルモンがお互いに影響し合いながら、心身(休息と活動のバランス)をコントロールしているという事です。ですのでどこか一つでも崩れるとそれを他のホルモンが補おうとするようになり、結果として全てが崩れてしまう事になります。特にその根本になるセロトニンとメラトニン、またその分泌バランスを整えるための「睡眠習慣の改善(別記事参照→睡眠の質について)」は心身の健康のために最も基本的な事なのです。健康のためにと「食事だけ」を変える人は多いですが、食事だけ、運動だけ、睡眠だけに気を遣うのでは「真の健康」とは言えないのではないでしょうか。